吐き気や不正出血はピルの副作用?症状がおさまる期間や受診の目安も解説

吐き気や不正出血はピルの副作用?症状がおさまる期間や受診の目安も解説

『ピルの副作用がひどい……この症状はいつおさまるの?』と不安を感じていませんか。

ピルが身体に合わないと、副作用があらわれることもあります。

生理痛をやわらげるためにピルをはじめたのに、副作用がひどいと日常の生活にも影響が出てしまいますよね。

そこで本記事では、ピルの副作用について詳しく説明していきます。

このような人もぜひ参考にしてくださいね。

ピルは海外に比べると日本の普及率が低いため、なんとなく怖いイメージがある人もいるかもしれません。

しかし、ピルは決して怖い薬でもなければ、副作用が多い薬でもありません。

私たち女性の身体を守ってくれる薬なので、この機会にピルについて理解を深めていきましょう。

この記事の監修者
荒木詞奈子先生

日本産婦人科学会、日本女性医学会、日本皮膚科学会所属
岡山大学医学部卒業、岡山大学大学院にて医学博士取得
中林病院、調布飯野病院勤務後、アメリカCase Western Reserve University、Miami Universityにて留学研究
帰国後、岡山労災病院産婦人科、川崎医科大学附属川崎病院皮膚科(現川崎医科大学総合医療センター)を歴任後、H23年開業

HP:https://www.shinako-ladiesclinic.com/original.html

目次

ピルには副作用があるの?

ピルの副作用

ピルとは、一般的に卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)を含む低用量ピルを指します。

卵胞ホルモンが含まれる量によって、下記に分類されます。

  • 中用量ピル
  • 低用量ピル
  • 超低用量ピル

低用量ピルは生理痛をやわらげるだけでなく、避妊や肌トラブルの改善など、多くの女性が抱える悩みを解決してくれる薬です。

また、低用量ピルは、中用量ピルに比べて女性ホルモンの含有量が抑えられているため、副作用は少ないともいわれています。

とはいえ、低用量ピルを服用することで女性ホルモンのバランスが変化するため、いつもと違った症状が副作用としてでる場合があります。

ピルの副作用

ピルの副作用

ピルの副作用がでる場合、服用開始してすぐに妊娠初期のような症状があらわれることが多くあります。

とくに、下記の症状には注意しておきましょう。

体質によっては血栓症のリスクもあります。

どのような症状なのか、ひとつずつ説明していきます。

吐き気

吐き気は、ピルの副作用のなかでも比較的あらわれやすい症状です。

服用初期にでやすく、服用を継続していくと数ヶ月後にはおさまることも多くあります。

ピルは女性ホルモンが配合されている薬なので、飲みはじめは一時的にホルモンバランスが変化します。

それによって、吐き気やめまい、頭痛などを引き起こすのです。

吐き気を軽減するには、食直後にピルを飲むことがおすすめです。(参照:アイレディースクリニック新横浜

また、日中に吐き気が強くなって仕事に支障がでないよう、夕方から夜間に服用するのもひとつの方法です。

症状が強い場合は医師に相談し、吐き気どめの処方やピルの服用中止や種類変更を検討してもらいましょう

頭痛

頭痛は、ピルの服用初期にあらわれやすい症状のひとつです。

頭痛は市販の鎮痛剤で改善することが多いため、過度な心配は不要です。(参照:花小金井レディースクリニック

しかし、ピルを服用中の頭痛の原因が必ずしもピルとは限りません。

寝不足や肩こり、目の疲れなど、頭痛を起こす要因はほかにも考えられます。

鎮痛剤以外にも、睡眠時間をしっかり確保したり、肩や目の周りのマッサージをしたり、セルフケアもおこなうことも大切です。

症状が改善し、身体がラクになる場合があります。

痛み止めが効かない場合や、あまりにも痛みが長く続く場合は、別の原因がかくれている可能性があるため医師に相談しましょう。

むくみ・体重増加

ピルに含まれる黄体ホルモン(プロゲステロン)には水分をため込む作用があるため、身体がむくむ場合があります。

この作用によって『ピルを飲み始めて太った!』と感じる人もいますが、体重増加の原因はむくみです。(参照:OCを服用される方へ

また、生理前に食欲が増す人も多いかと思いますが、これは食欲を増進させる働きをもつ黄体ホルモンが体内で増えることが原因のひとつです。

ただ、ピルの成分は1〜2ヶ月で身体になじんでくるため、自然とむくみが減って体重も落ちていきます。

それでもむくみや体重の増加が気になる場合は、ピルの変更や医師に相談してみましょう。

眠気

ピルの飲みはじめには、ピルに含まれる黄体ホルモンの作用で、まれに眠気が起こることもあります。

しかし、ピルの服用を続けていくと気にならなくなることがほとんどです。(参照:レディースクリニック山原

日中の眠気が強い場合は、昼間15〜20分程度の短時間だけでも仮眠を取るといいでしょう。

不正出血

ピルの副作用でもっとも頻度が高い副作用は不正出血です。

ピルを服用する人の約2割が経験しているともいわれていますが、飲みはじめからの一時的な症状であることが多いです。(参照:東京桜十字

不正出血が突然あらわれるといつまで続くのか不安になりますが、たいていは4〜5日以内でおさまります。

長く続いても2〜3シート服用すれば不正出血はおさまるため、医師から特別な指示がない場合は継続しても問題ありません。

また、不正出血は副作用だけでなく、「ピルの飲み忘れ」や「飲み遅れ」などでも起こります。(参照:渋谷文化村通りレディスクリニック

ピルは毎日ほぼ一定の時間に飲むことが大切です。

決まった時間に飲むためにも、朝食後や昼食後、就寝前など日常生活の行動と関連づけて習慣にしていきましょう。

携帯電話のタイマーやリマインダーにかけておくと忘れにくくなります。

血栓症

ピルの重大な副作用として、血栓症が起こる可能性もあります。

血栓症とは、血管内に血のかたまりができて、血液の流れがとどこおってしまう病気です。

一般的な血栓症としては、飛行機や車などの狭い座席で長時間足を動かさないことで起こりうる「エコノミー症候群」が知られています。

頻度としては非常にまれであり、低用量ピルを飲んでいる場合は10,000人に3〜9人が発症するといわれています。(参照:産科・婦人科ひなたクリニック

下記のような症状がでた場合は血栓症が疑われるため、十分注意が必要です。

  • ふくらはぎの痛み、むくみ
  • 手足のしびれ
  • 鋭い胸の痛み、急な息切れ、動悸
  • 激しい頭痛、めまい、失神、視覚、言語障害(目のかすみ、舌のもつれ)
    (参照:あかりクリニック ピル外来

ピルに含まれる「卵胞ホルモン(エストロゲン)」という女性ホルモンには、血液を固まりやすくする働きがあります。

ただ、一般的には事前に採血や問診で血栓症のリスクをきちんと評価した上で処方されるので安心してください。

副作用が心配な人は、対面診療でしっかり診察・検査を受けてから開始するようにしましょう。

タバコを吸う人(1日15本以上)や高度肥満の人は、血栓症のリスクがさらに高くなるので注意が必要です。(参照:的野ウィメンズクリニック横浜

ピルを飲んで不調が起きたときの対処法

ピルを飲んで不調が起きたときの対処法

ピルを飲んで身体に不調が起きてしまったら、そのまま飲み続けていいのか不安に感じますよね。

その場合、どのように対処するべきか説明していきます。

しばらく様子をみる

吐き気や頭痛、だるさ、不正出血などの副作用は、とくに飲みはじめに起こることが多くあります。

個人差はありますが、ピルを3シートほど服用すればおさまる場合が多いので、しばらく様子をみるのもひとつの方法です。

『体調よくないし、もう飲まなくてもいいかな』といった自己判断はしないようにしましょう。

不調が長く続く場合は、ピルの副作用ではなく違う病気による可能性もあります。

つらい症状は我慢しすぎず、医師への相談がおすすめです。

症状が軽い場合は、しばらく継続しながら様子をみてみましょう。

違う種類のピルに変更する

ピルには様々な種類があり、それぞれホルモンが含まれている量は異なります。

ピルを飲んで身体の調子が改善しない場合は、違う種類のピルに変更することもひとつの方法です。

ピルの合う合わないは、個人の体質や体調などよってどうしても起こりえます。

副作用や違和感が長く続く場合は、医師に相談してみましょう。

そのためにも、医療機関を選ぶときはピルの取り扱い数が多いところがおすすめです。

薬の選択肢を広げるためにも、どのようなピルを扱っているか公式ページでしっかり確認しておきましょう。

ピルの副作用の関するよくある質問

ピルの副作用の関するよくある質問

ピルの副作用に関する、よくある質問をまとめました。

順番に解説していきます。

ピルの副作用が出やすい人はどんな人?

ピルを飲みはじめる際は副作用を心配する人が多いですが、実際には何も起こらない人がほとんどです。

しかし、副作用のリスクとなる要因を持っている人は発生率が高まるので、当てはまる人は十分注意しておく必要があります。

喫煙者喫煙者は、もともと血栓症を発症しやすく、ピルによって助長するリスクがある。※35歳以上で1日15本以上喫煙する場合は処方できない
肥満BMI(体表面積比)が30以上の人は、血栓症を発生しやすくなる。
40歳以上加齢によって心筋梗塞等の心血管系障害が発生しやすく、ピルによって助長するリスクがある。

乳がんや子宮頸がんになりやすくなるって本当?

ピルによって、乳がんの発生リスクが増加する明確なエビデンスはないのが現状です。

しかし、子宮頸がんはピルの服用期間が長いと、わずかにリスクは高まります。

子宮頸がんとは、子宮の入り口に発症するがんで、HPV(ヒトパピローマウイルス)の感染によって起こる病気です。

ただ、ピルを中止すると子宮頸がんのリスクは減少し、中止後10年以上ではピル未使用者と同じくらいになるという報告もあります。

子宮頚がんワクチンを接種しておく、ピル服用中でもHPVウィルスの感染を防ぐためにコンドームを使用し、定期的に子宮頸がんのスクリーニングを受けて、早期発見に努めるようにしましょう。

ピルを長期間飲み続けても大丈夫?

ピルの服用期間に制限はありません。

たとえば、20歳から40歳まで飲み続けることも可能です。

たとえば、長期間服用を続けたからといって、妊娠しにくくなることはないと考えられています。

ピルを中止するとホルモンは通常の状態に戻り、多くの人は約3ヶ月以内に排卵を再開します。

そのため、これから妊娠や出産を考えている人も安心して服用してくださいね。

ただし、服用している間は重大な副作用である血栓症がまれに起こることもあります。

ピルを長期間服用する場合は、定期的に検診を受けることが大切です。

まとめ

この記事では、ピルの副作用について説明しました。

ピルには生理痛や生理不順、PMSなど生理トラブルの改善に非常に有用とされています。

ピルの副作用はすべての人にあらわれるのではなく、実際には何も症状がでない人がほとんどです。

症状が出る場合は、吐き気や頭痛、だるさ、不正出血などがピルの服用初期に多くみられます。

しかし、ピルを3シートほど服用すればおさまる場合が多いので安心してくださいね。

副作用が気になる場合は、しばらく様子をみつつ、それでも軽快しないときは医師に相談することが大切です。

大事な身体のためにも自己判断は避け、ピルを安全に服用しましょう。

吐き気や不正出血はピルの副作用?症状がおさまる期間や受診の目安も解説

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この記事を書いた人

ラブマ編集部。恋活、婚活、遊びの出会い、大人の出会いなど幅広くヒトの出会いにフォーカスした記事を執筆中。

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